2017 年 55Annual 巻 4PM-Abstract 号 p. 352
H. Selye のストレス理論では、一般的にいうストレスは悪玉のディストレスであり、善玉ストレスをユウストレスと呼ぶ。また、ストレスを惹起する原因をストレッサーと呼ぶが、ユウストレスを惹起するものはユウストレッサーである。また、ストレス(ディストレス)対処法は大きく2つあり、絶対量の減少と対抗力の相対的増大である。後者が具体的にはユウストレスとなる。したがって、ユウストレッサーを把握し、積極的なコーピングをすることにより、ディストレス軽減が可能と考えられる。このような原理により、我々はこのユウストレッサーを把握するシステムの開発を行ってきた。この中でコーピング行動を取るにはシステム利用の継続が重要であることが分かり、そのための工夫として最近注目されている画像会話に着目し、従来法と比較を行った。従来は利便性を考慮してケータイによる文字入力を想定していたが、いわゆるスマホの普及により、emojiやLINEのスタンプ画像などによる画像を用いたコミュニケーションがより簡便であるという仮説を立てた。被検者17人(男15人、女2人、平均年齢21.82±1.38歳)による改良したシステムを用いた7日間の試行では、さらなる利便性の向上が確認できた。