2017 年 55Annual 巻 4PM-Abstract 号 p. 380
近年注目を集めているプラズマ医療は、多くがメカニズム不明のまま臨床応用されているのが現状である。そこで、本研究ではプラズマの創傷治癒促進作用に着目し、プラズマ照射による火傷部位の治癒メカニズム解明を目指す。先行研究では、大気圧プラズマは活性酸素種(ROS)を生成することや、軽度の酸化ストレスは細胞の増殖を促進することが報告されており、プラズマ照射が火傷の治癒を促すメカニズムには、酸化ストレスが大きく関与している可能性が示唆される。これらのことを踏まえ、本研究ではまず、ラットの背面に人為的に作製した火傷部位において、酸化ストレスマーカーであるスーパーオキシドディスムターゼ(SOD)活性を測定した。これにより、化学的に不安定で反応性が高いため生体内での測定が極めて困難であるROSを、半定量的に測定することが出来る。今回は、プラズマ照射時と未照射時それぞれについてSOD活性の違いを比較、検討した結果を中心に報告する。