生体医工学
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抄録
5-アミノレブリン酸を用いた動脈硬化プラークの蛍光イメージング
長井 健一郎寺原 航萩沢 康介丹羽 貴郁江南 慧広富 優華四ノ宮 成祥守本 祐司
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2017 年 55Annual 巻 5AM-Abstract 号 p. 384

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抄録

ヘム代謝の前駆物質である5-アミノレブリン酸(ALA)は細胞において蛍光物質であるプロトポルフィリンIX(PPIX)に代謝される。演者らはALAを外因的に投与された動脈硬化モデルマウスにおいて、動脈硬化プラークからPPIX由来の蛍光が見られることを見いだした。そこで今回、その蛍光を呈する部位がプラーク内のマクロファージに起因するとの仮説を立てこれを検証した。高コレステロール食を与えられたLDL受容体ノックアウトマウスにALAを静脈内投与し、大動脈を取り出し、共焦点レーザー顕微鏡で観察した。また、大動脈の一部をF4/80抗体(抗マクロファージ抗体)で染色した。観察の結果、動脈硬化プラーク内にてF4/80陽性のマクロファージの集積と一致する蛍光がみられた。蛍光を呈する部位とマクロファージ(F4/80)陽性部位の一致度は感度47%、特異度95%であった。以上の結果よりALA投与による蛍光イメージングは動脈硬化プラークにおいてマクロファージを観察する特異的な手段になりうることが示唆された。

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© 2017 社団法人日本生体医工学会
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