2017 年 55Annual 巻 5AM-Abstract 号 p. 411
我々はこれまで、単板トランスデューサから放射される音響放射力を用いて直径0.5mm以下の極細カテーテルを屈曲させる事に成功したが、血管内で誘導制御するためには、音波の進行方向に関係なく、その先端を任意の方向に屈曲させる必要がある。本研究では、最大256素子を有する超音波2次元アレイトランスデューサによって設計された音響放射力分布の時空間変化を利用して、その実現を目指している。具体的には、各素子を駆動する電圧の位相制御によって、超音波音場の空間的分布を形成し、その形状を音波の照射範囲内で移動させる。実験結果から、カテーテルの屈曲方向に生じた音響エネルギー差が変位に比例することが分かった。本発表では、位相を反転させた2焦点による平面的な屈曲制御と、リング状音場による3次元的な屈曲制御について紹介する。