生体医工学
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抄録
血友病A患者の小規模逆位検出法
中西 宏貴稲葉 浩福武 勝幸福岡 豊
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2017 年 55Annual 巻 5PM-Abstract 号 p. 454

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抄録

血友病Aは遺伝性疾患であり、血液凝固第VIII因子を生産する20万塩基程度の遺伝子が関係していることがわかっている。また、患者により変異が異なるため、重症度も異なる。そのため次世代シーケンサによる遺伝子配列の解析を通じた、血友病の重症度に関係する変異の特定が期待されている。遺伝子の変異の一種である逆位は検出が困難である。そこで、本研究では変異を解析するソフトウェアであるpindelを用いて数塩基から数百塩基程度の小規模な逆位の候補を予測する方法を確立することを目的とする。本研究ではまずpindelを用いて断片化された遺伝子配列中に存在する小規模な逆位を検出することができるかを確認する。そのため中間に人為的な逆位を含む遺伝子配列を使用する。最初に断片化された遺伝子配列の位置を特定するためにリファレンスゲノムを用いてマッピングをする。次に重複を削除し、pindelで解析する。解析結果から自作のプログラムを用いて変異該当部分をリファレンスゲノムから抽出する。その後、遺伝子配列と比較し、逆位の関係になっているかを確認する。人為的な逆位を含む遺伝子配列から逆位を検出できた。 pindelを用いて小規模な逆位候補を検出する方法の基礎を確立した。

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© 2017 社団法人日本生体医工学会
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