生体医工学
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新たな医療機器規制の枠組みによる動的な審査の方向性について(レジストリの活用も含めて)
谷城 博幸
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2020 年 Annual58 巻 Abstract 号 p. 116

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抄録

平成25 年の薬事法改正で、単体としてはそれまで法規制外として扱われてきた医療用ソフトウェアを医療機器プログラムとして医療機器規制の枠組みに取り込んだ。医療機器プログラムは、ソフトウェアとしての「動的」な特性を生かし、改良に向けた設計開発コンセプトをそのままに、試行段階から製品化までを具現化することが容易である。医療機器を取り巻く現状に目を向けると、医療機器プログラムに限らず、ソフトウェアの「動的」な特性を生かした医療機器の開発や改良が国内外でも目覚ましい。AI を活用した昨今の診断用医療機器を例にとれば、旧来の医療機器と比べてもかなり「動的」であるといえる。

一方、薬機法下でも、先駆け審査指定制度の試行的導入や再製造単回使用医療機器の制度化等が図られ、それらの制度を活用した今までにない新たな医療機器も承認されている。先駆け審査指定制度をはじめとする試行的に導入された制度については法制化が進められ、令和元年12 月に改正薬機法が公布された。また、「動的」な考え方を生かした医療機器規制も改正法の中で制度化された。改正薬機法の趣旨には、「動的」な規制への姿勢を伺うことができ、審査においてもその姿勢に追従して臨む必要性があると考える。

本講演では、新たな規制の枠組みの下、「医療機器レジストリ」の活用等も意識した「動的」な医療機器審査の方向性について講演する。

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© 2020 社団法人日本生体医工学会
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