生体医工学
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手掌多汗症における手掌部発汗評価装置の作製と評価
高橋 大志古住 理沙
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2020 年 Annual58 巻 Abstract 号 p. 283

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抄録

発汗は体温制御といった非常に重要な役割があるものの、日常生活に支障をきたす過度発汗が生じる疾患があり、特に手掌部で生じる場合には手掌多汗症という。本邦の国民の5.3%に多汗症は認められるという報告があり、多汗症患者は日常生活のみならず就労においても機器類への汗の付着や破損等に対して非常に大きな苦痛を感じており、勤労意欲の低下や職業不適応などの社会問題となっている。多汗症の治療としては薬剤投与や神経遮断術、精神療法などがあげられるが、副作用や侵襲性、代償性発汗、エビデンスレベルが低いといった問題がある。そこで、本研究では副作用がない精神療法に着目し、手掌からの発汗量をバイオフィードバック(BF)指標として自分自身で発汗を制御できる手掌多汗症用のBF治療器を開発することを最終的な目的として、本実験では湿度センサを手掌に固定し、相対湿度から発汗状態を評価できるかを検討した。さらに、精神負荷の有無による発汗の変動計測実験を行った結果、経時的な湿度の上昇が観察され、また精神負荷の有無によって発汗が変化することが観察された。

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© 2020 社団法人日本生体医工学会
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