2020 年 Annual58 巻 Abstract 号 p. 351
我々はヒトの姿勢や呼吸状態,体表面の形状を考慮した治療計画ソフトウェアを開発した.しかし開発した治療計画ソフトウェアは血管の変動を考慮していない問題があった.そこで血管の変動を考慮した治療計画を作成することを目的とする.まず超音波画像として取得された3次元血管網の構造解析より,微小物体を目標経路に誘導可能な超音波の照射範囲を算出する.次に,光学式位置計測センサで計測された体表面及び肋骨の位置を測定する.その後3次元ボリュームと連続して撮像した2次元画像を2D-3Dレジストレーションによって位置合わせを行い血管の変動を取得する.そして体表面及び肋骨の位置,血管の変動より体表面上の誘導可能な超音波照射範囲を導出する.本報告では治療計画ソフトウェアを用いて極細カテーテルを誘導する治療をシミュレートし治療計画を作成した.また人体肝臓の2次元画像と3次元ボリュームを対象に2D-3Dレジストレーションにより位置合わせを行った.その結果血管の変動を考慮した治療計画ソフトウェアの実現可能性を示唆した.