生体医工学
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臨床工学技士国家試験および臨床検査技師国家試験不合格リスクと第2種ME技術実力検定試験との関連
浅井 孝夫
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2020 年 Annual58 巻 Abstract 号 p. 372

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抄録

【背景】第2種ME技術実力検定試験の結果をもとに臨床工学技士国家試験および臨床検査技師国家試験に対する不合格リスクを予測することを目的としてこれらの試験の関連を解析した。

【方法】新潟医療福祉大学医療技術学部臨床技術学科へ2011年から2015年の5年間に入学した学生のうち、未卒業者や参加辞退者を除く450人の学生を解析対象とした。オッズ比(OR)および95%信頼区間(CI) はロジスティック回帰モデルを用いて解析した。国家試験不合格リスクとなる点数の最適なカットオフ値を求めるために受信者動作特性曲線(ROC曲線)を用いた。

【結果】第2種ME技術実力検定試験に1度目の挑戦で合格した学生に比べて、再挑戦での合格者や不合格者は臨床工学技士国家試験において不合格となるリスクが有意に高かった(再挑戦合格者[OR:8.53, 95%CI:2.82-25.81]、不合格者[OR:39.93, 95%CI:12.27-129.95])。さらに、臨床検査技師国家試験において不合格となるリスクにおいても同様の結果が得られた(再挑戦合格者[OR:9.29, 95%CI:4.17-20.67]、不合格者[OR:14.82, 95%CI:5.92-37.15])。不合格リスクの予測においては、臨床工学技士国家試験に対しては70点、臨床検査技師国家試験に対しては75点が最適なカットオフ値として求められた。

【結論】第2種ME技術実力検定試験は臨床工学技士国家試験だけでなく、臨床検査技師国家試験においても不合格リスクを予測するための優れた予測因子となり得る。

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© 2020 社団法人日本生体医工学会
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