2020 年 Annual58 巻 Abstract 号 p. 397
座位のペンドラムテストでは、測定した波形においてしばしば下腿部支持解除後の残余力による大きなひずみが生じた。筆者らはすでにこの残余力の減衰パターンを時間とともに直線的に減少する線形パターンにより近似してその補正を試みてきた。本研究では、この線形パタ-ンの代わりにより高精度の2次曲線パターンを利用して、この効果を調べた。後者のパターンはペンドラムテストの途上で測定した下腿部支持圧力の変化から導出したものである。ここでは、このパターンを逆シミュレータに組み込み、実測した健常被験者2名と痙縮患者2名の波形に対して逆シミュレーションを行った。この結果によれば、その精度は線形パターンを利用した場合に比して大幅に向上することが明らかとなった。また、2種類のパターンを利用して評価した痙縮の評価値の間にはかなりの差があることが明らかになった。今後の課題は本研究の補正法の実用化を模索することである。