生体医工学
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在宅高齢者看取り支援のためのチェーンストークス呼吸非接触・自動検出システムの開発と臨床応用
齋藤 晶斗神田 雅大孫 光鎬箱崎 幸也松井 岳巳
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2022 年 Annual60 巻 Abstract 号 p. 136_2

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抄録

在宅看取り支援の一環として,終末期の徴候で,呼吸振幅が周期的に増減するチェーンストークス呼吸(Cheyne-Stokes respiration:CSR)に着目し,療養型病院においてCSRの自動検知に成功した(Y.Otake. et. al., Eur Heart J Case Rep.2021).2台のドップラーレーダー(24GHz,10mW)をベッドのマットレス下に設置して呼吸波形を求め,呼吸波形の包絡線の振幅のパワースペクトル密度(PSD)の最大値が0.0083~0.033Hz(日本救急医学会)の範囲に存在した場合CSRと判定したが,体動による呼吸振幅の見かけ上の変動に起因する誤検知が多く,特異度が低い値を示した.本研究では以下2つのアルゴリズムを提案し,CSR検知精度向上を目指した.① PSDの高周波ピーク(0.033Hz~)を用いた体動検出アルゴリズム. ②CSRに付随する無呼吸(睡眠障害国際分類ver3)検出アルゴリズム.①と②のアルゴリズムを搭載した新システムを用い,2021年4月までに元気会横浜病院に認知症,脳出血後遺症等で入院した22名の患者の連続モニターを行った.22名中3名(女性3名,77±10歳)で110回のCSRイベントが発生し,感度92%(92%),特異度99%(79%)(①②無し),正確度96%でCSRを自動検知できた.在宅での運用を予定している.

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© 2022 社団法人日本生体医工学会
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