2022 年 Annual60 巻 Abstract 号 p. 224_2
定常状態視覚誘発電位(SSVEP)を利用したBCIにおいて,光源数よりも検出可能なクラス数を多くすることができれば検出情報量を向上させることができる.本研究では,2光源で3クラスへの分類を可能とするための検討を行った.平面上の異なる位置に配置され,異なる周波数で点滅をするLEDを注視した際に誘導されるSSVEPと,被験者が注視した位置との関係を検討した.それぞれ6Hz,7Hzで点滅をする赤色LEDを被験者正面に両者間の距離を視角2. 5°になるように横方向に配置した.被験者には,それぞれLEDの外側,2個のLEDの中間位置のいずれかを注視するように指示した.実験中の被験者からAg-AgCl電極を用いて6チャネル(Po3, Poz, Po4, O1,Oz, O2)で単極誘導し,前後方向のバイポーラモンタージュ信号から,FFTによりパワースペクトルを算出した.本実験の結果,LED自体ではなく,点滅するLEDの近傍を注視するだけで,それぞれに対応するSSVEPが誘導されることが確認された.また2個のLED近傍の外側を注視した場合には近傍のLEDの周波数成分が,中間位置を注視した場合」には両者のLEDの点滅周波数の成分が3名中2名の被験者で観測された.これらの結果により,SSVEPを用いたBCIにおいて,少ない種類の点滅周波数でより多クラスの推定が可能であることが示唆された.