生体医工学
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感覚入力と反応抑制機能-アスリートの可塑的変化-
佐藤 大輔五十嵐 小雪山代 幸哉
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2022 年 Annual60 巻 Abstract 号 p. 65_1

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抄録

抑制は、私たちの生活において絶え間なく生じ、不可欠な要素の一つである。つまり、抑制に関する問題を解決することは、人の意志や行動を抑制する機能について知るために極めて重要とえる。私たちは、あらゆる生活活動の中で、自身の意思や行動を抑制している。例えば、「道路を横断しようとした場合に、車が近づいてくることを確認して、その行動を中断する」「バスケットボールの試合でシュートをしようとしたが、相手選手が邪魔をしてきたため、シュートを中止する」といったものがあげられる。このような人の抑制行動は、多様な感覚入力にもとづく反応抑制機能によって調節される(Bari & Robin 2013)。反応抑制機能は、反応を遅延するpostponing、反応を抑制するrestraint、反応を中断するcancellationに分類されるが、感覚入力の種類(感覚モダリティ)による制御の違いについては未だ議論の最中である。さらに、反応抑制機能は、過去の経験やトレーニングによって大きく変化することが知られている。中でも、長期間・継続的にトレーニングを重ねているアスリートは高い抑制機能を有していることが報告されている。そこで、本セッションでは、以下の点に注目して、これまでの研究や我々の研究室で得られた知見ついて紹介する。1) 感覚モダリティによる反応抑制機能の違い 2) 長期的なトレーニングによる反応抑制機能の変化

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© 2022 社団法人日本生体医工学会
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