生体医工学
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高齢者の歩行状態およびバランスの分析と転倒予防における気づきの重要性
伊藤 友孝田邉 健玉置 太一鈴木 みずえ金盛 琢也稲垣 圭吾谷 重喜
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2023 年 Annual61 巻 Abstract 号 p. 152_1

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抄録

近年の高齢化の進行に伴い,高齢者の転倒が大きな問題となっている.転倒は寝たきりに繋がる大きな要因の一つであるため,最初の転倒を引き起こす前に未然に防ぐことが大切である.本研究室では,地域の高齢者の歩行の様子を装着型の小型センサで計測して歩行特徴量を算出し,歩き方の分類や転倒リスクとの関連などの分析を行ってきた.その結果,高齢者にはすり足歩行や膝の引き上げ歩行などの複数の歩行タイプが存在することや,中には底屈状態で地面との間のクリアランスの小さいケースが含まれることなどが判明している.コロナ禍を経て日頃からの歩行状態のチェックや見守りがより重要視される中で,今回は,地域の福祉施設などに設置したり普段身に付けたりして気軽に自身の歩行状態やバランスをチェックできるシステムを目指して,施設設置型歩行トレーニング装置とスマートフォン連携型の歩行見守り装置を試験開発したので,令和4年度に実施した福祉施設での歩行計測実験の結果と併せて,その内容を報告する.また,施設設置型歩行トレーニング装置を用いて福祉施設でバランス計測を行ったところ,自身の歩行状態に関する気付きが転倒予防のために重要であると思われる結果が得られたので,それについても報告する.

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© 2023 社団法人日本生体医工学会
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