抄録
血管内皮細胞による血中高分子の選択的透過は,せん断応力により変化するとされているが,細胞内物質輸送の空間的,時間的変化については明らかになっていない.本研究では,ブタ大動脈由来内皮細胞を48時間静置培養した場合と,48時間10 dynes/cm^2のせん断応力にさらした場合のそれぞれに,10分間TRITC-Albuminを負荷し,その後の細胞内蛍光粒子の時間変化を共焦点レーザー顕微鏡により調べた.その結果,静置培養した場合では時間とともに蛍光高分子が集積することが観察されたが,流れ負荷の場合では集積による蛍光輝度の増加が観察されなかった.