抄録
チタン酸バリウムを始めとする, abo3よりなるペロプスガイド型圧電材料の機能向上手法として,添加元素によるBサイトの置換が試みられるが,その定量的な評価はなされていない.そこで,第一原理計算によるチタン酸バリウムBサイトに対する添加元素の定量的評価を試みる.その際,置換可否の観点から,Bサイトに対する凝集エネルギに着目した.そして,第5周期までの4価ないし,3価,5価の元素の凝集エネルギ値を算出した結果,置換が確認されているCoを基準に, Sc, V, Cr, Mn, Fe, Y, Zr, Nb, Mo, Ru, RhがBサイトを置換可能である事を確認し,さらに,許容因子により,チタン酸バリウムへの添加時にもペロプスガイド構造が維持される事を確認した.