抄録
遷音速ファンローターの設計において、前方スイープはファンのチップ付近に発生する衝撃波を弱め、またその発生位置をより後縁寄りに移動させる作用によりストールマージンの改善に効果的であることが知られている。しかしながら、ストールマージンの改善と同時に大流量側においてはオイラーワークの減少と圧力比の減少によりチョークマージンが悪化する。本報告では前方スイープを有した遷音速ファンの設計にオイラーワークと負荷分布の設定値から逆解析によって3次元翼形状を得る3次元遷音速粘性逆解法ソフト、TURBOdesign-2を適用して、大流量側の特性改善と、さらに衝撃波の緩和による性能向上を試みた。ファン流路内に強い衝撃波が発生すると翼の負荷が急変する部分が見られる。本報告ではFigure A.に示したように翼の入口から出口までスムースに変化する負荷分布と修正した翼オイラーワークを設計条件としてTURBOdesign-2にて逆解法設計を行った。Figure Bに示した逆解法設計されたファンSW1IV2の性能は、解析の結果Figure C.に示したように最高効率はオリジナルよりも0.5ポイント改善され、スイープによって減少したチョーク流量もオリジナルよりはやや劣るものの、改善できることがわかった。翼プロファイルを直接修正する従来型の設計手法では大流量側の特性の回復や衝撃波の抑制などを含め、前方スイープファンの設計最適化のため多数の繰り返し設計を行う必要があると考えられる。3次元逆設計はこのような3次元翼の最適設計プロセスをより効率化できるものと期待している。[figure]