抄録
生産現場では,設備立上時から非定常運転・トラブル処理・保守点検などの作業において,設備に近接しての作業(危険区域内での作業)が求められることが多くある。このような作業では,設備の安全装置が不十分であるため,あるいは,安全装置があるにもかかわらず作業者の不注意により,死亡等の事故が多く発生している。本来,作業者の安全確保のためには固定式ガードが有効であるが,近接作業では固定式のガードは適用困難である。そこで,危険区域内での作業で使用できる安全システムの開発が,不可欠となっている。本稿では,この安全システムの中核となる存在検知システム開発における課題とその解決策の検討状況を紹介する。