2008 年 111 巻 1074 号 p. 385-
車社会において,安全に関わる技術開発の究極の目標は「交通事故死傷者ゼロ」である.トヨタ自動車では,これまでエアバッグや衝撃吸収ボデーなど,衝突安全技術の積極的な開発と採用により死傷者数を着実に減らしてきたが,一方で「ITS技術を利用し,衝突事故そのものを防ぐ」というactive safety技術についてもその製品化を検討してきた.長い研究開発の成果が漸く実り,2003年2月には,世界で初めて「進路上にある車両や障害物を検知して衝突被害軽減に寄与する,レーダ方式のPCSシステム」の製品化に成功した.しかし上記のPCSでは,・検出対象を乗用車などに限定・自車両前方への支援システムが中心 等であり,今回アドバンスドPCSとして,より衝突被害軽減効果を高めるシステムを関発した.