2011 年 114 巻 1110 号 p. 324-
厳しい価格競争と高品質の実現を求められている製造業において,加工能率の向上は大きな課題の一つとなっている.加工機械の技術革新によりハイパワーの加工が可能になってきているにも関わらず,依然として実績に則った加工条件が使われることが多い.その要因として,加工条件を高めると加工不具合であるびびり振動が発生し易くなることが挙げられる.びびり振動が発生した場合,加工面の悪化,工具やホルダの破損に至ることがあるため,びびり振動の解消に多大な労力と時間を費やすのが常である.従来,熟練技能者は経験を活かしながら試行錯誤で適切な加工条件を見つけてきたが,その妥当性を検証することは困難である.また,びびり振動の種類により異なる対策が講じられるが,その判別法が体系化されているとは限らない.このような背景から,最適な加工条件を短時間で容易に探索する知能化加工システムを開発した.