抄録
経皮性薬剤投与(Transdermal Drug Delivery System)のためのマイクロ無痛針の開発にあたり、針欠損のリスクの回避および針投棄の安全性という観点から、生分解性材料の使用が望ましい。そこで、ポリエチレングリコール(PEG)製マイクロ針を試作し、ヒト由来の培養皮膚(角層と表皮層からなる)への刺入試験を行った。培養皮膚に一様な二軸張力を与える刺入観察装置の開発を行い、二軸張力の値を有限要素解析により求めた。張力をパラメータとした刺入性の評価を通じ、皮膚の力学的視点に立った針形状の設計手法の確立を目指す。