抄録
燃焼器用Cu-Cr-Zr合金の水素脆性感受性に関する基礎的知見を得ることを目的とし、その機械的特性に及ぼす酸化および水素化処理の影響をTEMディスクサイズ試験片を用いたSP試験により調査した。酸化処理(825℃/15h)による変質層の形成(内部酸化)は、室温での機械的特性にあまり大きく影響しないが、500℃の高温環境下では粒界割れ誘起し機械的特性を劣化させることが明らかとなった。さらに、酸化処理後の水素化処理(600℃/7.6MPa/24h)により機械的特性がさらに劣化することになるが、この劣化の程度は室温でより顕著であった。