抄録
Ni基合金溶接部の破壊評価手法を構築することを目的に,Ni基合金母材NCF600および溶接金属182合金,改良182合金,82合金を溶接金属とした矩形型表面欠陥付き平板試験体の破壊試験を,室温において実施した.極限荷重評価法および2倍勾配法を用いることにより,平板試験体の最大荷重を,保守的に評価できるとともに,2倍勾配法に比べて,極限荷重評価法は精度の高い破壊評価が可能であることが分かった.また,極限荷重評価法においては,0.2%耐力と引張強さの平均値を流動応力とすることにより,破壊試験による最大荷重を精度よく評価できること,さらに,欠陥が深いほど各評価法による破壊荷重と最大荷重の差は小さくなることが明らかとなった.