抄録
原子力機器に用いられるNi基の溶接金属182および82合金について室温と300℃でJ_<lc>試験を実施し,破壊靭性値は182合金よりも82合金の方が高く,また室温よりも300℃の方が高いことが明らかになった.EPRIおよび白鳥らの極限荷重評価式に材料の流動応力を用いて求めた荷重は試験の最大荷重とよく一致することから,破壊は塑性崩壊により生じていると推定された.流動応力の代りに2.7Smを用いると評価式による極限荷重は試験の最大荷重よりも低く,破壊荷重を保守的に推定できることを明らかにした.