ダブルメルトで作製し、高清浄度化を図った5種類の超微細粒鋼に窒化を施し、疲労特性を調べた。窒化材の硬化層深さは1mm 程度となったが高C材に比べて低C材では母地部の硬さが大きく低下した。窒化材の破壊形態は全て表面破壊となり、疲労強度は高C材では母材に比べて上昇したが、低C材ではその差が小さくなり低Mn材では差はほとんどなかった。また、P添加材では無添加材に比べて疲労強度は向上した。これらの結果から、窒化材の疲労強度は表面破壊のみとなった場合でも内部の硬さの影響を受けること、P添加により表面破壊特性が改善すること及び窒化材においてMnは硬化層の形成に大きく寄与していることが明らかとなった。