抄録
粒界エネルギーは粒界構造と深く関係しており,その関係は多くのシミュレーション結果によって示されている.特に,粒界エネルギーと粒界方位差の関係は,例えば[110]傾角軸をもつ粒界における力スプ関係のように,材料によらない特徴的な関係を示している.本研究では,粒界エネルギーと粒界方位差の統一的な理解のために,粒界の構造単位モデルとして回位モデルを用いることにより連続体理論に基づいた粒界エネルギーと粒界方位差の関係の解析をおこなう.本稿では回位モデルによる粒界エネルギーの定式化について述べ,基本となる回位対が作る弾性場について議論する.