抄録
本研究ではアルミ疲労破面に観察されるストライエーションにフーリエ変換を適用することで,高さと幅の同定を行うことを試みた.破面の観察と断面形状の計測には共焦点レーザ顕微鏡を用いた.まず始めに,フーリエ変換によって得られたストライエーションの幅と目視により得られた幅を比較したところ,よく一致した,次に,高さに相当するパワースペクトルと応力比の関係を求めたところ,従来の研究と同等の傾向が得られた.したがって,フーリエ変換によって得られた波長とパワースペクトルの傾向はストライエーションの幅と高さの傾向を表したと言える.従来は断面形状の計測とストライエーションの定量化に熟練技術と経験が必要であったが,本研究の手法を用いることでより客観的なストライエーションの解析が可能であることが示せた.