抄録
構造物の振動等身近にある振動エネルギーを新たなエネルギーの源と考え,電気エネルギーに変換することで微小電力を供給する研究が多数行われている.その多くは,圧電材を組合せた片持ちはりを利用し,圧電効果によって機械的振動エネルギーを電気的エネルギーに変換する.本報では,片持ちはりの断面形状と先端質量が系の出力電力の最大化と構造強度余裕にと及ぼす影響について考察する.具体的には固定端に強制振動が印加された圧電材組合せ片持ちはりの,出力電力と構造強度余裕と直接に関係する最大応力の最小化を目的とするはり断面形状の設計問題を対象とし,はり形状設計における両目的関数との関係,および先端質量の影響について検討する.