抄録
宇宙航空研究開発機構(JAXA)は,次世代ロケットH-X(2段式直径5.2m級)の第1段に搭載するLE-Xエンジンの開発研究に着手している.H-Xロケットの打上げ能力は,LE-Xエンジンの推力に上限を設けたことから,世界の新型ロケットと比較して低いレベルに留まっている.また、LE-Xエンジンは高圧燃焼のエンジンであること,システム構成が現用のLE-5Bエンジンと基本的に変わらないことから,信頼性向上の観点から設計改善の余地があると考えられる.本研究では、H-Xロケットの大型化(直径6.5m化)による打上げ能力の向上を提案すると共に,このロケットに最適な推力を持ち,信頼性に優れたエンジンの考察を試みたので報告する.