抄録
今世紀に入ってから,米国では1段と2段に共通するエンジンを搭載した低開発費の簡素な2段式ロケットファルコン9が出現し,往還型のスペースシャトル輸送システム(STS)に替わって運用に供されていることから,将来型の宇宙輸送ロケットは簡素化が一層進む方向にある.しかしながら,宇宙輸送ロケットの構成品の中で,エンジンは最も故障の発生し易い部品であることから,1段に多数の小推力エンジンを搭載するロケットにおいては,信頼性の確保が重要な課題となる.そこで,上述の簡素なロケットを対象として,打上げ時の信頼性の向上策について検討を行ったので,紹介する.