抄録
車椅子や歩行支援機などの移動型福祉機器には車輪やクローラが用いられている。これらの移動機構はその適用範囲に限界があり, 過剰なインフラ整備が環境に及ぼす弊害も無視できない。本研究の目的は, 階段や斜面を歩行できる移動椅子や歩行支援機への応用を目的とし, 人間の搭乗も可能な汎用2足移動機構を開発することである。著者らはこれまでに, パラレルメカニズムを用いた脚と腰部のみで構成された2足移動モジュールを開発し, 動歩行はもとより高速方向転換, 屋外での歩行, 50kg の重量物積載歩行などに成功したので報告する。