抄録
現在,呼吸停止時に経口あるいは経鼻的に気管チューブを挿入し,即座に人工呼吸を開始することが緊急時の救命率の向上をもたらすと考えている.本研究では多目的な医療用拡張管を開発中であり,その曲率を保持することが可能であることから気管チューブへの応用を試みている.その拡張管を自在に変形させることにより気道が狭窄した状況下において,小外径の状態で拡張管を挿入し狭窄部位で拡張させることを目標にしている.実際にナイロンシートを材料として拡張管を試作すると共に数値解析を行うことで変形の構造を明確にする.また経口から気管部位までのモデルを作製し,試作した拡張管を挿入することで気管チューブとしての実現性を検討する.