抄録
2000年6月にフィリピン, ルソン島の田畑、森林、草地で捕獲されたネズミ(Rattus tanezumi, R. norvegicus, R. everetti, R. exulans)から5種のツツガムシを得た。1. Schoengastia sp.:中国のS. cantonensisに類似するが、それより大きく別種。2. Walchiella lobiensi:1988年にレイテ島から記載されている。3. Blankaartia acuscutellaris:フィリピンからの記載あり。ネズミに多数寄生する赤色のツツガムシ。古くから知られるがリケッチア媒介能力は不明。4. Ascoschengastia indica:フィリピンを含め、東南アジアに広く分布する。古くから知られるがリケッチア媒介能力は不明。5. Leptotrombidium imphalum:L. deliense に近縁の種であるが、明らかにそれより大型種。L. rubellum より腹面毛が多数。 Leptotrombidium imphalum は媒介能力があるとされる。