日本衛生動物学会全国大会要旨抄録集
第57回日本衛生動物学会大会
セッションID: B18
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一般講演 B1-B42
メトフルトリンを含有した常温揮散製剤の蚊に対する空間忌避効果に関する検討
(4)ベトナム・ハイフォン市の民家におけるネッタイシマカを対象とした樹脂製剤の残効性試験
*川田 均Nguyen Thi YenNguyen Thuy HoaTruong Minh SangNguyen Van Dan高木 正洋
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抄録
 前3報(第56回大会および本大会)において,演者らはメトフルトリン を含浸させた紙製および樹脂製の常温揮散製剤の,インドネシア・ロンボク島におけるネッタイイエカ(Culex quinquefasciatus)およびハマダラカ類(Anopheles sundaicus, An. balabacensis)に対する空間忌避効果について評価し,重要なマラリア感染場所の一つと考えられるブルガ(風通しのよい簡易的な小屋;半野外条件)において,高い空間忌避効果と長期にわたる残効性を確認したことを報告した.本報告では,ポリエチレン樹脂にメトフルトリンを練り込んだ樹脂製剤(メトフルトリン約1000mg/個処理)につき,ベトナム・ハイフォン市の民家における,ネッタイシマカ(Aedes aegypti)をはじめとする屋内吸血性の蚊に対する空間忌避効果と残効性を評価した結果を報告する.試験は,2004年5月から2004年10月にかけてハイフォン市南部のド・ソンで行った.30軒の民家を処理区と無処理区とに分け,処理区には1部屋あたり1個の樹脂製剤を天井等に吊すことによって処理した(1軒あたり平均4個処理).屋内において採集される主要な蚊であるネッタイイエカとネッタイシマカの2種について,壁や家具等に休止している成虫を一定時間内に定期的に採集する方法で効果を評価した結果,蚊の種類によって若干の効果の違いは見られるものの,樹脂製剤は高い空間忌避効果を示し,有効期間は約8週以上と考えられた.
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© 2005 日本衛生動物学会
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