日本衛生動物学会全国大会要旨抄録集
第59回日本衛生動物学会大会
セッションID: A28
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東マレーシア・サラワク州のバリオ高地に自生する食虫植物(Nepenthes)のツボ内に発生するギンモンカ属(Topomyia)の1新種
*宮城 一郎岡澤 孝雄當間 孝子レイ チャールス
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抄録

ギンモンカ属(Topomyia)は東洋区特有の属で、現在60種余りがマレーシアを中心に雲南省(中国)、タイ、インドネシア、日本などから記録されている。それらの種はTopomyia亜属とSuaymyia亜属に区別され、前亜属の幼虫は種々の植物の葉腋の水溜りに例外なく発生するが、後亜属は21種が記録され、幼虫のほとんどの種は青(生)竹節の水溜りに限って発生し、数種がクワズイモなどの葉腋の溜まりに限って発生することが知られている。2006年9月演者らはサラワク州の北部山岳部落・Barioで調査を行い、標高1,100m近辺の雑木林に自生する食虫植物(Nepenthes stenophylla)のツボに発生する多数の蚊の幼虫を採集した。その中にTopomyia属の幼虫を見出し、飼育した結果, Syaymyia亜属の新種であることが判明した。食虫植物のツボにはTripteroidesUranotaeniaToxorhynchitesCulexArmigeres 属の数種の生息が記録されているが、Topomyia属の蚊は初めての記録と思われる。本新種と既知種との比較や由来などについて述べる。

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© 2007 日本衛生動物学会
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