日本衛生動物学会全国大会要旨抄録集
第59回日本衛生動物学会大会
セッションID: B01
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三重県志摩半島の日本紅斑熱を含むリケッチア感染症に関する予備調査結果(予報)
*鎮西 康雄安藤 勝彦坂部 茂俊谷村 忍吉村 平池田 健関 めぐみ西久保 公映岩崎 博道
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抄録

日本紅斑熱は1984年馬原によって発見され、その後継続的に症例報告は続き、近年増加傾向にある。この23年間に600を越える症例が報告されている。三重県においても1992年に伊勢市で患者が1名発生しているが、その後報告がなかった。しかし、 2005年に2例が報告され、更に2006年夏になって伊勢市の山田赤十字病院に入院したリケッチア症患者がなくなり、詳細な検査の結果日本紅斑熱感染によることが判明した。これを機会に、三重県伊勢志摩地方および紀南地方におけるリケッチア症に関する予備的な調査を行い、日本紅斑熱を含むチケッチア感染症がかなりの頻度で発生していることが判明してきたので調査結果を予報として報告する。
 公立総合病院7病院を選び、一定の調査票によって、リケッチア感染症調査を行った。1院を除く6院から回答が得られ,そのうち2院からは無しの回答であったが,4院から症例が寄せられた。これまでのまとめでは、この4年間に35例のリケッチア感染があったことが判った。これらにはツツガムシ病を含む可能性もあるが、日本紅斑熱と確定できたものは7例であった。多くは50歳代以上で,やや男性が多い。これらの患者の居住地を見ると1件を除き志摩半島中央部の朝熊ケ岳周辺の伊勢市・鳥羽市・志摩市・南伊勢町とその近辺に限られていた。ここは広大な伊勢神宮林を含み伊勢志摩国立公園と重なる地域で,多くの自然が残され,野生動物も多い。
研究協力者:伊勢保健所、福井大学医学部,大原研究所,宮崎県衛生研究所,藤田保健衛生大学医学部の関係各位および馬原文彦氏 

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© 2007 日本衛生動物学会
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