日本衛生動物学会全国大会要旨抄録集
第59回日本衛生動物学会大会
セッションID: B17
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殺虫エアゾール粒子の虫体への付着状況が効力に与える影響
*杉浦 正昭
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抄録

2006年の本大会において、殺虫エアゾールの溶剤量を低減させても粒子径制御により虫体への付着量および効力を維持できることを報告した。
本報では、粒子径の異なるエアゾールにおいて、直撃試験によりイエバエ、またはチャバネゴキブリ虫体への付着量を変動させた場合の効力を比較した。その結果、粒子径の大きいエアゾールでは、小さいものと比較して、同一噴射時間での試験では付着量が高いため効力も高くなったが、付着量が同一となるように噴射時間を調節した試験では、粒子径の小さいエアゾールの方が高い効力となった。
これらの結果から、付着量が同一の場合、小粒子が多数(虫体へ満遍なく)付着した方が、大粒子が少数(虫体へまばらに)付着するより効力が高く、粒子径の大きいエアゾールでは効力に関与しない場所への付着量が多いと考えられた。
また、虫体上に感受性の特に高い部位が存在し、虫体へ満遍なく付着させることでその部位への付着確率が高まったとも考えられる。従って、虫体への付着量のみでなく、虫体上の粒子付着部位も殺虫エアゾールの効力に大きく影響を与えることが示唆された。

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© 2007 日本衛生動物学会
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