日本衛生動物学会全国大会要旨抄録集
第61回日本衛生動物学会大会
セッションID: B27
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一般講演
各地のチャバネゴキブリのジェル・ベイト剤に対する抵抗性
*富岡 康浩柴山 淳
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抄録

千葉(2箇所), 東京(2箇所), 甲府, 大阪(3箇所), 徳島で採集した個体群と累代飼育している感受性系統(宝塚系)の合計10系統のチャバネゴキブリのジェル・ベイト剤に対する喫食性および抵抗性を評価した. 供試薬剤として, ヒドラメチルノンA剤, 同B剤, フィプロニル剤, インドキサカルブ剤などを用いた. 直径30cmの容器に餌, 水, シェルターを配置し, チャバネゴキブリ10頭(5♂5♀)を放し, 供試薬剤250mgを24時間与え, 喫食量および, 7日間における死亡率の変化を調べた. ヒドラメチルノンA剤では, 7系統中100%致死したものは感受性系統と大阪A系と徳島系のみであった. 東京A系, 千葉A系は喫食量が感受性系統の5~15%に減少して死亡率が低下し, 逆に東京B系, 甲府系は喫食量が減らなかったが, 死亡率は0%であった. ヒドラメチルノンB剤は, A剤より喫食量が全体的に多かったが, 各系統の抵抗性の特徴は同様であった. フィプロニル剤は最も効果が高い傾向が見られたが, 千葉B系, 大阪A系, 同C系で喫食量の低下が見られ, 後2者では致死率が100%に達しなかった. またインドキサカルブ剤は, 徳島系では感受性が非常に高かったが, 千葉A系は喫食量が少なく致死率20%となり, 東京A系と同B系では喫食量が多くても効果が遅延した. 各地の個体群は行動的な喫食抵抗性と薬剤原体に対する抵抗性が混在し, 薬剤ごとに異なる様相を呈していた. これらの実態とその対策について考察する.

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© 2009 日本衛生動物学会
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