日本医真菌学会総会プログラム・抄録集
Print ISSN : 0916-4804
第49回 日本医真菌学会総会
セッションID: SIV-3
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真菌感染と自然免疫
補体レクチン経路と自然免疫
*藤田 禎三
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抄録
免疫系は、初期感染防御において重要な働きをする自然免疫(innate immunity)と、特異的な認識機構とその記憶に特徴を持つ獲得免疫(acquired or adaptive immunity)に分けることができる。自然免疫は本来生体に備わっており、生体に侵入した病原微生物にただちに働くという特徴を持つ。そして、引き続き起こる獲得免疫の反応を確実なものとする。自然免疫は、獲得免疫を持たない無脊椎動物においても普遍的に生体防御に機能している。また、自然免疫は非特異的に働く貪食作用が中心と考えられていたが、現在では、微生物表層に存在する一定の繰り返しパターンを持った構造を異物として認識し、自己と非自己を識別できると考えられている。このようなパターン認識分子として現在急速に研究が展開されている Toll 様受容体(TLR)に加えて、エフェクター機能を併せもつコレクチンとフィコリンがあり、近年注目を浴びている。本分子は認識に関与するレクチン領域とエフェクター機能に関与するコラーゲン領域を持つハイブリッド分子であり、微生物表層成分を直接認識する真のパターン認識分子である。 一方、補体とは、生体に侵入した微生物を排除するための重要なエフェクターとして生体防御に機能している一群の蛋白の総称である。補体は、約 30 種以上の血清蛋白質と膜蛋白質によって構成され、補体系を形成している。補体系は、抗体を認識分子として機能する古典的経路が先に発見されたため、抗体を補うという意味で補体と名付けられた。さらに、コレクチンのうちマンノース結合レクチン(MBL)とフィコリンは、新規セリンプロテアーゼの MASP と複合体を形成し、新たな補体活性化経路(レクチン経路)を活性化し、生体に侵入した微生物を排除する。本シンポジウムでは、MBL とフィコリンなどの生体防御レクチンの認識機構と自然免疫における役割について概説する。
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© 2005 日本医真菌学会
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