日本医真菌学会総会プログラム・抄録集
Print ISSN : 0916-4804
第51回 日本医真菌学会総会
セッションID: P-75
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IV. 皮膚真菌症
外国人柔道選手より分離されたTrichophyton tonsuransのrRNA-VIRR領域の遺伝子多型に関する研究
*楊 秀敏菅波 盛雄白木 祐美杉田 隆比留間 政太郎池田 志斈
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抄録

はじめに:T. tonsurans感染症は、欧米における頭部白癬の主要起因菌であり、日本においても、その流行が確認されている。われわれは既に、rRNA-VIRR領域の遺伝子多型の研究で、本菌は7型に分類されること,日本で流行している菌は、2型であることを報告した(Microbiol Immunol 50, 57, 2006)。今回は日本人柔道選手が対戦する可能性のある外国人選手を対象として、ブラシ検査を行い、分離された菌の遺伝子多型について分析した。対象と方法:1.外国人チーム来日(T大学、23名)、2.指導者講習会(K館、43名)、3.National team合宿(To大、29名、K大学、19名、ニュージーランド、25名)、4.試合(柔道アジア選手権・タシュケント、58名)などで行った。方法は、調査用紙に年齢・性・国籍・タムシの既往などを記入後、ヘアブラシ検査を行った。結果:調査人数合計は、197名、国籍31カ国、うち陽性者は、10名(5.1%)であった。分離された菌の遺伝子型は、1、2、4、7型の4型に分類された。考案:現在、分離された菌の由来について検討中であるが、いままで日本の格闘技選手の間で流行していた菌は2型のみであったが、今後は、数種類の遺伝子多型を示すT. tonsurans が輸入される危険性があると考えられた。

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© 2007 日本医真菌学会
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