抄録
症例1: 57歳男。会社員。2005年5月初診。イトラコナゾール200mg/日パルス7日間内服終了後,翌日に咽頭部違和感と全身に多形紅斑が出現。粘膜疹なし。WBC 13,900/mm3,好酸球 4%,CRP 0.21 mg/dl,IgE 68 IU/ml,肝機能障害なし。病理組織像では真皮の毛細血管周囲に好酸球やリンパ球の浸潤を認めた。PSL30mg/日内服により1週間程度で皮疹は軽快した。DLST,スクラッチテスト,パッチテストは陰性。スクラッチパッチテスト(1,5,10,20%ワセリン希釈)で陽性。症例2: 28歳女。主婦。2007年6月初診。イトラコナゾール400mg/日パルス内服6日目に腹部に掻痒を伴う地図状の紅斑が出現。粘膜疹なし。WBC 3,600/mm3,好酸球5%,CRP 0.14 mg/dl,IgE 60.6 IU/ml,肝機能障害なし。病理組織像は真皮の毛細血管周囲にリンパ球を主とした炎症細胞浸潤を認めた。抗アレルギー剤内服にて1週間程度で皮疹は軽快した。DLST,スクラッチテスト,パッチテスト,スクラッチパッチテスト施行中。