日本医真菌学会総会プログラム・抄録集
Print ISSN : 0916-4804
第51回 日本医真菌学会総会
セッションID: LII-1
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皮膚真菌症の最近の話題
抗白癬剤リラナフタートの足白癬に対する群間比較試験―液剤のクリーム剤に対する非劣性試験―
*比留間 政太郎  M-732研究会
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抄録
リラナフタート(M-732)は,抗白癬作用を有する国産新規チオカルバミン酸系化合物で,M-732を2%含有するクリーム製剤は,足白癬,体部白癬および股部白癬の適応を取得し,「ゼフナート®クリーム2%」として販売されている。今回,足白癬(趾間型または小水疱型)に対するM-732液の有効性が,M-732クリームのそれよりも非劣性であることを検証し,併せて安全性に問題ないことを無作為化割付,非盲検による多施設共同群間比較試験により確認した。主評価項目のうち,4週目の真菌学的効果(菌陰性化率)は,M-732液74.8%(101/135例),M-732クリーム70.1%(96/137例)であり,差の95%信頼区間下限値は-5.9%であった。また,4週目の皮膚症状の改善率は,それぞれ97.0%(131/135例), 94.9%(130/137例)であり,差の95%信頼区間下限値は-2.5%であった。以上より,M-732液の有効性は,予め設定した差の95%信頼区間下限値の-10%を下回らなかったことから,M-732クリームのそれよりも非劣性であることが検証された。一方,副作用は,局所刺激などがM-732液で3例(発現率2.1%),M-732クリームで4例(同2.8%)観察された(p=0.722)。以上より,M-732液は,M-732クリームと同様の安全性が確認された。日本における外用抗真菌薬についてまとめ、その使い方について考察する。
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© 2007 日本医真菌学会
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