日本医真菌学会総会プログラム・抄録集
Print ISSN : 0916-4804
第51回 日本医真菌学会総会
セッションID: P-2
会議情報

I. 内臓真菌症
Candida glabrataステロールトランスポータAUS1の機能発現
*中山 浩伸田辺 公一知花 博治青山 俊弘新見 昌一
著者情報
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録

Candida glabrataAspergillus fumigatusはステロール合成が阻害されると、細胞外から代替ステロールを補充し阻害を相補することが知られている。この機構はアゾール剤耐性とも関連するため、臨床的にもきわめて興味深い。C. glabrataのアゾール剤に対する耐性化にこの機構が関わっていることが十分に考えられ、ステロール合成阻害剤に対する真菌の新しい耐性機構を示唆している。細胞外からのステロールの取り込みは、出芽酵母Saccharomyces cerevisiaeでは主に嫌気条件下で行われ、C. glabrataでは好気条件下でも起こるという相違がある。培地に血清を添加するとステロール成分は菌体内に容易に取り込まれるが、フリーのステロールは適切な溶媒に懸だくしないかぎり取り込まれず、ステロールの取り込みに応じて細胞膜ステロール成分は変化する。我々はステロールの取り込みを担うC. glabrataのトランスポータ遺伝子AUS1を同定し、遺伝子発現の制御と血清中のステロールの取り込みおよびアゾール耐性との関連を報告した。今回は、aus1株のアゾール感受性化を指標に,各種培養条件の下でAUS1発現とこの輸送タンパク質の基質特異性について検討し、ステロール取り込みの意義を考察する。会員外共同研究者 竹森大樹,岡野誠,中西拓也(鈴鹿高専)、高野幸枝(感染研)

著者関連情報
© 2007 日本医真菌学会
前の記事 次の記事
feedback
Top