日本医真菌学会総会プログラム・抄録集
Print ISSN : 0916-4804
第51回 日本医真菌学会総会
セッションID: P-28
会議情報

II. 分類と同定
臨床材料から分離された Cryptococcus curvatus の種内多様性解析の検討
*遠藤 成朗三川 隆大澤 宏充
著者情報
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録
Cryptococcus curvatusは食品、海底の泥など自然界に広く分布する腐生菌の一種である。近年、本菌による真菌血症、髄膜炎、カテーテル関連血流感染症などが報告され深在性真菌症起炎菌として問題視されている。我々は血液、ドレーン排液、カテーテル尿、及び皮膚からC. curvatus様の酵母様真菌を分離し、種の同定のため26SrDNA、ITS領域の解析を行った。また分離株について種内多型解析を目的としてIGS領域の解析を行ったので報告する。
【方法】供試菌株は異なる患者の血液より分離した2株、同一患者のドレーン排液より分離した3株、カテーテル尿より分離した1株、皮膚より分離した1株、及び保存機関より分譲された標準株及び参照株10株の計17株を用いた。26SrDNA、ITS領域及びIGS領域の塩基配列の解析は従来法によって行った。MIC測定は微量液体希釈法によって行った。
【結果】17株における26SrDNA及びITS領域での相同性はともに98~100%であった。IGS領域を解析した結果、相同性は51~100%と低く、3グループに分かれることが判明した。IGS領域の相同性の割合から種内多型が判明し、遺伝子型が異なることが示唆された。またIGS領域の多型株が抗真菌薬に対する感受性と相関するか検討し、報告する。
【会員外共同研究者】真智俊彦(医療法人財団董仙会・恵寿総合病院)、下川智樹(榊原記念病院)、細井美往、藤原恵利子、鈴木真言、佐藤弓枝, 金山明子、小林寅〓(三菱化学メディエンス)
著者関連情報
© 2007 日本医真菌学会
前の記事 次の記事
feedback
Top