抄録
症例:57歳、女、食品加工業勤務。既往歴・合併症:特記すべきこと無し。現症:左頬部の5×5ミリ大の角化を伴う茶褐色調の紅斑。現病歴:約1年前より左頬部に軽度のそう痒を伴う紅斑を認め、ステロイド外用剤を塗布し続けていたが治癒しないため当院受診した。尚同部位に外傷の既往はないが、勤務中にマスクで覆われる部位であった。病理組織検査:HE染色にて肉芽腫形成を認め、真皮浅層の巨細胞内に淡い茶色に染まる隔壁を有する菌糸を認めた。PAS染色でも巨細胞内に多数の菌糸・連鎖胞子を認めた。真菌学的検査:皮疹表面の痂皮をマイコセル培地にて培養し、黒色コロニーを分離した。菌種については検討中。