日本医真菌学会総会プログラム・抄録集
Print ISSN : 0916-4804
第52回 日本医真菌学会総会・学術集会
セッションID: P-044
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免疫と生化学
Candida albicansのバイオフィルム形成関連遺伝子
*倉門 早苗杉田 隆西川 朱實
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抄録
【はじめに】カンジダ症の主要起因菌であるCandida albicansはカテーテル等のメディカル・デバイス上にバイオフィルム(BF)を形成し、各種抗真菌薬に耐性化することから臨床上問題となることがある。この度は、C. albicansの1)BF形成に関与する遺伝子の同定、および2)BF状態での遺伝子発現プロファイリングについて検討した。【材料および方法】1)BF形成関連遺伝子:BFおよび浮遊細胞(PC)からRNAを抽出し、サブトラクション法を用いてBF状態で有意に発現する遺伝子をクローン化した。相同組換えにより、当該遺伝子を破壊し、野生株とBF形成能を比較した。2)遺伝子発現プロファイリング:DNAマイクロアレイを用いて、BF状態での各種遺伝子発現をPCと比較した。【結果および考察】1) 野生株と比較してBF強度が有意に低下する遺伝子を複数見出した。2)BF状態では、PCと比べて、SAP・PLB等の病原因子の発現にはほとんど変化が見られなかったが、薬剤耐性関連遺伝子であるCDR1は発現が亢進していた。以上、二形性がBF形成に寄与している事は明らかであるが、本実験の培養条件下では破壊株の二形性は野生株と同様であったことから、二形性関連遺伝子以外の遺伝子もBF形成に関与していることが示唆された。
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© 2008 日本医真菌学会
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