抄録
先天性心疾患 (congenital heart disease: CHD) の治療法の向上により、多くのCHD患者が成人期に達している。そのため、これまでは小児期でしか遭遇したことのないCHD核医学画像を成人で遭遇する機会が増加すると考えられる。しかし、成人CHD患者の核医学画像の資料は少なく、診断には小児期からのCHD核医学画像情報が重要となる。今回われわれは、CHDを含めた小児心疾患患者の123I-Metaiodobenzylguanidine (MIBG)-SPECTの集積の傾向を調べるため、MIBG-SPECTと同時期に行った99mTc-Sestamibi (MIBI)-SPECTと位相差解析値を比較した結果を、2017年日本心臓核医学会学術大会で発表した。MIBGとMIBIのミスマッチが認められた小児CHD術後の患者は除神経に伴うMIBG集積低下が認められるも、心筋血流や位相は保たれており、MIBG所見とMIBI所見は互いに関連していない可能性を報告した。