心臓核医学
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総説:学会賞技術部門賞受賞
トランスサイレチン型心アミロイドーシス診断における99mTcピロリン酸シンチグラフィ評価のピットフォール
斉藤 利典相川 忠夫
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2025 年 27 巻 1 号 p. 24-29

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抄録
心アミロイドーシスの非侵襲的診断において、99mTcピロリン酸シンチグラフィはAL(light-chain amyloidosis)型とトランスサイレチンを前駆物質としたアミロイド蛋白が沈着するATTR(transthyretin amyloidosis)型の鑑別に有用である。99mTcピロリン酸の心筋集積評価にはプラナー像およびsingle-photon emission computed tomography(SPECT)を用いる方法があるが、それらの読影の際には気を付けるべきピットフォールがいくつか存在する。プラナー像を用いた視覚的評価や半定量評価では、心内腔など血液プールへのトレーサー集積が偽陽性の一因になる。心筋と血液プールの集積を区別するためにはSPECT画像を用いた評価が役立つが、SPECT撮像のタイミングの違いやCTとの融合画像作成に関して注意すべき点もある。本稿では99mTcピロリン酸シンチグラフィの画像評価におけるピットフォールについて概説するとともに、ピットフォール回避のための自施設の取り組みついて紹介する。
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© 日本心臓核医学会 2025
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