研究目的:本研究では,在宅において実施可能な尿道留置カテーテル抜去のためのプロトコール作成に資するため,訪問看護を利用している在宅療養高齢者のカテーテル留置の実態,特に留置中のカテーテル管理や尿路感染予防に関わるケアの実施状況,カテーテル抜去の実施状況,安全に抜去を実施する上で重要な泌尿器科専門医(以下専門医)による下部尿路機能評価の実施状況について訪問看護ステーションへの質問紙調査から明らかにすることを目的とした.
方法:平成26年1月時点の千葉県ホームページ上に公開されている県内の訪問看護ステーションに,施設用の調査票とカテーテルを挿入している65歳以上の利用者(以下留置者)の個別調査票を郵送し,回答を依頼した.統計学的分析にはSPSS22.0J for Windows を使用した.
結果および考察:216施設中37施設より回答があり(回収率17.1%),留置者がいる施設は36施設(97.2%)であった.分析対象となった留置者は114人で,うち86人(75.4%)が身体的理由でカテーテルを留置していた.平均留置期間は34.0か月で,最長では114か月に及んでいた.留置中のケアで最も多く実施されていたのが膀胱洗浄44人(38.6%)で,カテーテルの閉塞防止のため実施されていたと推測された.訪問看護師の尿路感染に関する観察項目は,発熱や尿の性状が主であり,尿の細菌学的検査を定期的に実施しているケースは20人(17.5%)であった.16施設(44.4%)で過去1年間に抜去を実施した留置者がいた.留置者のうち専門医による下部尿路機能評価を行っていたのは50人(43.9%)であった.留置者のうち過去に抜去を実施したことがあったのは17人で,うち11人の再留置の理由は残尿の増加であった.4人は主治医の判断が抜去不可で専門医の評価も受けずに抜去を実施していた.在宅では,抜去後の残尿量測定や間欠的導尿を行うことが難しいため,抜去に際しては,専門医による下部尿路機能評価を受け,抜去後の尿閉や残尿増加のリスクをアセスメントしておくことが望ましいと考えられる.