NEUROSURGICAL EMERGENCY
Online ISSN : 2434-0561
Print ISSN : 1342-6214
消防地区ごとの救急搬送件数の分析から救急医療の需要と供給の不均衡改善策の検討
山田 哲久名取 良弘
著者情報
ジャーナル オープンアクセス

2020 年 25 巻 1 号 p. 22-26

詳細
抄録

 当院は人口42万の医療圏で唯一の救命救急センターである.救急搬送数は2013年には,年間8,000件を超え受け入れ困難症例が多くなってきた.各消防地区の救急搬送件数から救急医療の需要と供給の不均衡の改善に関して検討した.2011年~2017年の各消防地区の総救急搬送件数と当院への救急搬送件数を集計した.当院への総救急搬送件数は2011年7,531件,2012年7,698件,2013年8,348件,2014年8,662件,2015年7,847件,2016年7,175件,2017年7,241件であった.A,C,D地区は当院の総救急搬送件数の推移と一致していたが,B地区のみは当院への搬送件数が徐々に減少していた.B地区は,当院のみではなく地域の二次医療施設へ搬送していた.医療資源の需要と供給の不均衡解消のためには一次二次医療施設の協力が必要である.

著者関連情報
© 2020 日本脳神経外科救急学会
前の記事 次の記事
feedback
Top